雨やぞ
まわりのおじさんたちが騒めいている。
夏季賞与、おまえのせいだぞ。
いつも賞与の時期はまわりのおじさんたちの機嫌が上がったり下がったり下がったり下がったりして、その中ではたらくおばさんはしんどいぞ。
社会の歯車になんてなりたくねー。って、わたしも若かりし頃はそう言ってたけども、今この年になってわかる。社会の歯車ってやつは誰でもなれるものではない、割と。
雨の日も風の日も調子悪い日もめっちゃ歯車やってくれるもん。いい年した大人が、めっちゃ怒られたりしてる。理不尽なことでもちゃんと謝ってる。そこからの気持ちの切り替えもきっと無理してなんとかやってる。すごいよ、こんなことできるかい? えらいよなー。とても格好いいと思うよー。
でもそんなおじさんたちの心が夏季賞与によって揺らいでいる……。
毎度のことながら、チェンジマイフューチャーがチラついているおじさんたちがいる。
新米主任、中堅社員、もう長い付き合いだからわたしには分かるぞ。チラついてんな、お前ら。歯車が小さく震えている。
明日は雨の月曜日やぞ、働くおじさんたち働くおばさんたち働く若人たち、そしてわたし! 頑張れー!
納豆キムチと……
鰈の煮つけに小松菜とお揚げのタイタン。
おーい! タイターン!
子供のころにこんな夕食出されたらあまりの辛気臭さに夜も眠れぬラインナップ。
されど月日は流れ時は令和、健康診断の結果に打ち震えしこの哀れな女は嬉々としてこの煮つけ飯を拵え、シメに熱ぅい番茶をキメて、散々ぼうっとしたのち43℃の湯船に気が済むまで浸かり倒したのである。プリンも食べたよ。
しあわせー。
年取ったー。
後でホットミルク飲も。
とまあ、そこまでは順調じゃったのに、うっかり眠れない。
連休中にイキり始めたわたしの中の夜行性が全然鎮まらない。
そしてオチもない。
オチない……。
ホームズッ!
とか何とか考えてたらもうこんな時間。
ライヘンバッハの滝記念。
本はいいゾ。